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歯が抜ける前に歯周病治療を!セルフチェックですぐに確認
歯周病は細菌による感染症であり、炎症性疾患です。
プラークの中に存在する歯周病菌が、歯磨きでは磨ききれなかった汚れなどで歯と歯肉の境目で増殖することで歯肉に炎症が起き、歯肉が赤く腫れたり出血、口臭といった症状が起こります。
そして歯周病が進行すると、歯周ポケットが形成され歯と歯肉の溝がどんどん深くなり歯ブラシでは落としきれなくなります。
そのまま放っておくと歯の周りの組織が破壊され、次第に歯を支えている骨が吸収を起こし、最後は歯が抜け落ちてしまいます。
歯周病はプラーク中の細菌に対する生体の防御反応などが複雑に関連して引き起こされます。
人により抵抗力や口腔内環境は様々なので、歯周病の発症や進行の程度には個人差がありますが、喫煙や咬合、ストレス等による免疫力の低下、糖尿病などのリスクが加わることで、より複雑な形で歯周病が進行し治りにくくなります。
現在はお口の中だけに留まらず、歯周病菌や感染による炎症から合併症を引き起こすことがわかってきました。また、原因菌は家族間でも感染し、潜在的にリスクを持った方もいます。
「歯肉炎」と「歯周炎」
歯周病の発症率は40歳以上で8割にもなり、成人が歯を失う大きな原因となっています。
怖い歯周病ですが、多くはプラークを取り除き、口内環境を正常に保つ「プラークコントロール」で予防することができます。
歯周病自己チェック!
思い当たる症状をチェックしましょう。
- 朝起きた時、口の中がネバネバする
- 歯肉が赤く腫れている(健康的な歯肉はピンク色で、引き締まっています)
- 歯を磨くと歯肉から出血する
- 口臭が気になる
- 歯の間に隙間ができてきた
- 歯の間にものが挟まりやすくなった
- 歯が長くなってきたように感じる
- 歯がぐらぐらする
- 時々、歯が浮いたような感じがある
- 歯肉から膿が出たことがある
歯周病の進行過程
歯周病は段階を経て徐々に進行していきます。
歯周病の始めのサインは歯肉からの出血です。
大きく痛みを伴うことがないので放っておきがちですが、この段階で歯科医院でプラークや歯石を除去すると健康な状態を取り戻しやすくなります。
しかし歯肉炎を放っておくと、次第に歯肉に限局していた炎症は歯の周りの歯周組織(歯槽骨)に及びます。
一度歯槽骨が破壊されると二度と同じ状態に戻ることはありません。
炎症を抑えない限り、歯槽骨はどんどん破壊されていき、最終的には歯を支える骨がなくなり、歯が抜け落ちてしまいます。
歯周病は進行すればするほど治すのが困難になります。
できるだけ早めに発見し、治療を行うことが大切です。
歯磨きで歯肉から出血があれば、早めに歯科医院で歯周病の検査を受けることをおすすめします。